プレスリリース

一般社団法人 音声情報アクセシビリティ 設立のお知らせ

― 改正道路交通法の運用における合理的配慮と理解促進を提言/ すべての人に音声情報を届ける社会の実現に向けて ―

2026年4月6日 14時00分

一般社団法人 音声情報アクセシビリティ(東京都世田谷区、代表理事:吉岡英樹)は、音声情報へのアクセス環境の向上を目的として2026年3月25日に設立いたしました。本法人は、補聴支援システムや字幕表示、手話等を含む多様な手段を通じて、誰もが音声情報にアクセスできる社会の実現を目指し、調査研究、実証実験、導入支援、人材育成などの活動を行ってまいります。
本法人の設立にあたり、2026年4月より施行された改正道路交通法(いわゆる青切符制度)に関連し、重要な課題について提言いたします。

現在、イヤホン等の装用に関しては「周囲の音が聞こえない状態での運転」が違反対象とされています。しかしながら、近年では補聴器や人工内耳、さらには聞き取り困難症(LiD/APD)への対応としてイヤホン型機器を使用するケースも広がっており、外見のみではそれらを区別することが困難となっています。

我が国においては、障害者差別解消法により行政機関に対して合理的配慮の提供が求められています。一方で、交通取締りのような具体的な制度運用において、その考え方がどのように適用されるかについては必ずしも明確に整理されているとは言い難く、多様な聞こえのあり方を前提とした判断基準の明確化が求められます。
また、警察庁が公表している自転車の交通ルールブックにおいても、取締りの基本的な考え方は示されていますが、その多くは音声による指示を中心とした運用が想定されており、聴覚障害者等に対する具体的な配慮や代替的なコミュニケーション手段については明示されていません。
海外では、例えば米国の Americans with Disabilities Act や英国の Equality Act 2010 に基づき、行政機関に対して障害者への対応が義務付けられており、その考え方が交通取締りを含む実務運用全体において具体的に反映されている事例も見られます。

本法人は、交通安全の確保が重要であることを十分に理解しつつも、同時に障害の有無に関わらず誰もが安心して移動できる社会の実現が不可欠であると考えています。そのため、以下の点について強く提言いたします。

・補聴器、人工内耳、聞き取り困難症等に関する基礎知識の共有
・外見ではなく安全性に基づいた判断基準の明確化
・現場における合理的配慮の徹底
・警察官をはじめとする関係者への体系的な研修の実施

本法人では、これらの課題に対応するため、警察・行政機関・交通事業者等を対象とした研修会の開催や講義の提供、実証実験の実施などを積極的に行ってまいります。現場に即した具体的な知識と理解の普及を通じて、制度と運用の両面から社会の改善に貢献することを目指します。
音声情報アクセシビリティは、特定の人のための支援ではなく、誰もが情報にアクセスできる社会基盤です。本法人は、ユニバーサルデザインの理念のもと、多様な関係者と連携しながら、持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。

なお、本提言は個別の法制度を批判するものではなく、合理的配慮の考え方を各制度の運用に適切に反映していくための課題提起として位置付けるものです。
 
【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人 音声情報アクセシビリティ

contact@aiaalliance.jp